Ythe Records (レコードとCDの日々)

いいな、と思った音楽を紹介しているブログです。新しい音楽を聴くきっかけになれたら幸せです。

Discreet Music / Brian Eno

こんにちは。しばらく更新が空いてしまいました。

 

今日はこちら、Brian EnoのDescreet Musicです。

1975年発表。

いま手元にCDがないのですが、私が持っているのは日本盤の紙ジャケット仕様の物です。

とても綺麗なジャケットです。黒みがかった写真に、何やら右下には意味ありげに四角く鮮明になった部分が。

 

1973年、Roxy MusicのセカンドアルバムFor Your Pleasureを録音後、バンドをやめて、イーノはソロキャリアをスタートさせました。

そしてこのアルバムは、4作目に発表されました。

この頃はまだアンビエント、というコンセプトは確立されていないのですが、その始まりを感じさせる作品です。

一曲目、Discreet Musicは30分越えの大作。エリック・サティの家具の音楽にインスパイアされた、部屋の雰囲気と調和する音楽です。

静かに流れる、幾つものシンセサイザーのフレーズが少しずつ変化していき、絡まり合うところは、聴いていて本当に気持ちが良いです。

 

レコードのB面は3曲。こちらはパッヘルベルのカノンをアレンジした曲です。

これは初めて聴いた時は、衝撃でした。B-1、Fullness Of Windは、誰もが聴いたことのあるカノンが、とてつもなく遅いテンポで始まります。そして、少しずつ少し弦楽器のパートがずれていきます。乱暴に言えば、めちゃくちゃになっているようにも聞こえるのですが、しかし、これが綺麗に聞こえてしまうのです。

B-2、French Catalogues、B-3、Brutal Ardourと、同じようにカノンが続きます。

ただ、アンビエントと違って、しっかり和音が響くので、集中して聴いても全く退屈しないです。ですので、彼の提唱するアンビエントの、「聴くことも無視することも出来る」音楽とはちょっと違うのですが、ゆったりとした気持ちになれるアルバムです。特にBrutal Ardourは、短調の和音が非常に綺麗で、心を奪われます。

 

適度なカオス感が、心地よいアルバムです。意外とアバンギャルド系が好きな人もいけるかも?

 

ここから彼のアンビエントが始まったと思うと、とても重要な作品だと思います。